[温泉]元旅行会社社員の徒然日記[旅行]

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トロッコ王国美深 ~美幸線の廃線跡をエンジン付きトロッコで巡る~

今回はトロッコ王国美深の紹介です。

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美深町仁宇布(にうぷ)にある施設です。

www.torokkobihuka.com

仁宇布は国鉄美幸線の仮の終点でした。

美幸線は日本一の赤字路線として知られ、1985年に廃止されました。美幸線の「美」は美深の「美」ですが、「幸」はどこでしょうか。美深、東美深、辺渓(ぺんけ)、仁宇布と駅に「幸」の字はありません。

実は「幸」は枝幸町北見枝幸駅の「幸」です。実際に車で走ると分かりますが、美深から北見枝幸はかなり遠いです。経由地である仁宇布、歌登(うたのぼり)を通るように検索すると・・・82.9kmあります。

ちなみに開業していた仁宇布までは実キロで21.2kmです。途中駅2つで21.2kmとはかなり駅間が長いですね。美深から東美深まで4.3km、辺渓まで6.3kmですので、辺渓から仁宇布までが15kmほどあります。実際に車で走ると分かりますが、本当に何もないところを延々と走ります。ようやく仁宇布に近づくと集落が現れる・・・という具合です。

話をトロッコに戻すと・・・仁宇布から美深に向けて(仁宇布は終点ですからね。念のため)5kmほど(実際は5.5kmほど)線路が保存され、トロッコで走ることができます。定員は6人ほど、快適に乗るには4人ほどでしょうか。

屋根付きの車両もありますが、上を含めて前後をアクリル板で囲ってあるので眺めは悪いです。当日は雨がポツポツ降っていましたが、迷いなく屋根なし車両を選択しました。傘は使えません。風を切って走りますからね。カッパは100円です。

これがトロッコです。バッテリーは車のやつですね。AT車と同じくクリープ現象が発生するような気がします。サイドブレーキは手でひねる方式ですので、乗車時に確かめてください。

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1人1500円で体験できます。

ここで注意事項がいくつかあります。

  • 普通自動車免許がいる
  • 1人1台で乗車の場合は300円増し
  • 踏切は車優先(通常と逆)

私はいつも通り1人旅なので300円増しの1800円を支払いました。電話の他、じゃらんからも予約できます。

www.jalan.net

9時から16時まで毎時0分に出発します。出発20分前に集合との旨が書かれていますが、ギリギリでも何とかしてくれることが多いようです。

単線のために一斉に、100mほどの間隔をおいて出発します。操作方法は車と同じで、右側のペダルがアクセル、左側のペダルがブレーキです。

鉄道は車と違って路面との摩擦が少ないため、惰性(アクセルを踏まない)でもスーッと進んでいきます。ブレーキは浅く踏んでもそこそこ効きますのでべた踏みする必要はありません。べた踏みといえば・・・アクセルをべた踏みすると全身を強烈な振動が襲います。脳天を突き抜けるような衝撃(揺れ)とともにエンジンが唸りを上げ、力強く加速する・・・と思いきや、最高速度は25km/hほどなのでそこまで加速しません。

最後にトロッコの走りをご覧ください。

自分の操作で線路を走るのは感慨深いです。運転士になりたかったんですよ、昔。もう叶わないですけど、こういう形で叶いました。

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鉄橋です。揺れが激しいので物を落とさないように注意です。スマホは10台以上どこかしらに落ちたままとなっているようです。(係員談)
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折り返し地点です。枕木に10mごとに距離が書かれていますので5000を超えたら前をよく見て減速の準備をしましょう。カーブがきついので速いと脱線します。2020年は1度脱線したそうです。クロソイド曲線(緩和曲線)が設けられていないため、勢い良く横転することが予想されます。気をつけてください。とはいえ、ゆっくりすぎると2軸車(車輪が2軸しかない。普通の車両は2軸1組が2つある)のカーブに弱い(スムーズに曲がらない)性質から立ち往生します。立ち往生したら押すしかありませんが、鉄道は摩擦が少ないので女性でも問題なく押せます。
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緊急連絡先ですが、一部圏外のところがあるような・・・。

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出発・到着地点にある美幸線の遺構です。本当はここからオホーツク海を目指す予定で、工事も大体終わっていましたが中止されました。
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なぜか昼夜(座席・寝台)兼行の特急電車583系が。
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車内は当時の状況で残っています。イベント用に改造されている保存車両が多い中、これは貴重です。どうにかして残したい貴重なものです。
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2022/1/11 追記

この寝台電車ですが、なぜここにあるのかの記事がありました。

news.yahoo.co.jp