[信玄の隠し湯]山梨 下部温泉 裕貴屋旅館宿泊記③[重要文化財の宿]
さて、過去2回にわたってお送りしてきた裕貴屋旅館宿泊記です。
1回目はこちら
2回目はこちら
さて、3回目スタートです!
食事
食事は夕食、朝食ともにお部屋でいただきます。
実は私、部屋食が苦手です。
料理を少量ずつ運んできて、仲居さんとおしゃべりしながら食べるのが嫌なのです。世間ではこれをコミュ障と呼びます。
ええ、私は仲間内でゆったり過ごす方が良いので、何と言われようと個室の食事処が良いのです。
しかし、ここ裕貴屋は部屋出しでも違いました。すべての料理を膳に乗せて持ってきてくれます。つまり、食べているときの出入りがありません。これは嬉しい誤算でした。
夕食
右下は鯉こく、その上は鯉の刺身・・・と地物を味わえます。天ぷらも予想以上に美味でした。岩魚は最初に通された囲炉裏で焼いています。
食事はフロントへ電話1本で持って来たり、下げたりしてくれます。気兼ねなく部屋食を楽しめます。人数不足のため、電話がつながらない時はご愛嬌です。
朝食
夕食と同じくすべての料理が膳に乗ってやってきます。
夕食もそうですが、布おしぼりなのがありがたいところです。紙と段違いの耐久性です。
料理に期待する宿ではありません。老舗旅館ですが、料理旅館ではありません。下部は湯治場ですから、豪華な食事を期待される方は駅前の下部ホテルでもどうぞ。
散歩
実は夕食前に散歩へ行ってきました。いや、散歩とは言い訳で、酒を買いに外に出ただけです。
裕貴屋の周り
しかし、外に出てもめぼしい店がなかなかありません。
「Wine & Fruits しまや」だけはカジュアルな酒屋で、比較的種類も豊富で良い店でした。ここを候補の1つにして歩き進めようとしますが・・・
駅までは1.5kmあります。
さらに、駅まで行っても下部ホテルの売店くらいしかありません。宿泊はおろか、日帰り入浴もしないのに失礼するのも気が引けます。
悪いことに友人の一人が「温泉に来たなら浴衣で外歩きでしょ」と浴衣姿です。別に良いのですが、着方がだらしないので遠くまで出せる格好ではありません。しっかりしていても長距離歩くのはしんどいので、元湯甲陽館辺りでこの友人をリリースして帰らせました。
甲陽館HPhttp://www.koyokan-4126.com/
しもべ病院
その後しばらく歩くとしもべ病院を通過します。いや、病院よりこれが気になって仕方ありません。
おそらく今でも現役であろう地名横の数字が2ケタの民間救急車です。
下り坂も手伝って軽快に駅まで歩けました。
下部温泉駅から52号線へ
しかし先ほども言ったように駅前に来てもほぼ何もありません。店はいくつかありますが、人影が無いどころか品ぞろえもまばらで、商売する気があるのか怪しいです。
国道52号線沿いに行けば店もありそうですが、距離にして3.2km。さらに波高島バイパスでトンネルを通らなければなりません。徒歩はキツい。
そうなったら魔法のじゅうたんを使うしかありませんよね。俗に言うタクシーです。
一番近くのコンビニまで行ってもらい、1200円ほどでした。
が、せっかく駐車場に入ってくれたにもかかわらず、秒で出ていくタクシー。いや、別に待ってくれとは言いませんが、下部温泉駅から乗る=帰りの足が無いことは明白です。「帰りはどうされますか?」くらい聞いてくれたって良いだろうに・・・。
とはいえ、私が尋ねなかったのですから私に100%の非があります。
帰りの足は?
さあ波高島バイパスを歩かないと戻れません。排ガスにまみれた長いトンネルを歩くのはまっぴらごめんです。
と、コンビニを出て辺りを散策しているとバス停を見つけました。
www.town.hayakawa.yamanashi.jp
見つけたバス停は「クラフトパーク入口」です。次の下部温泉駅までは1停留所しかありませんが、バイパスを通るので使う価値は十分にあります。
見にくいので別表を・・・
クラフトパーク入口~下部温泉駅は第4区間で、同一区間内は200円です。登山用リュックなどの大きな手荷物は別途200円のようですが、コンビニでそれなりに(2000円強)買い込んだレジ袋では何も言われませんでした。
それより別表の「登山用リック」が気になります。
リック「Hey,マイケル、今日の俺は登山用だぜ」って感じなんですかね。(やめなさい)
同じ早川町のホームページにあるPDFから失礼しましたが、校正はしないのでしょうか。(やめなさい)
前線を通すのは1日4本、今回乗ったクラフトパーク入口~下部温泉駅は1日5本あります。
身延駅行き最終の16:58発に乗りました。
が、乗客は1人です。念のため下部温泉駅まで行くかを尋ねて乗り込みました。
軽快にバイパスを走って下部温泉駅には17:04着です。ここで我々2人と、ほかの乗客1人を降ろして空っぽになったバスは波高島方面へ走り去っていきました。路線バスが撤退した穴埋めをしているようですが、これではいつまで持つか分かりません。
さも狙ったように書いていますが、全くのノープランでバスの存在も知りませんでした。ちょっとタイミングがずれていたら、駅前のタクシーを呼ぶことになって気まずいことこの上ありませんでした。
駅に戻った我々は徒歩で宿を目指しました。
その他
2回目で紹介しきれなかった館内のあれこれを紹介します。
深夜のマシュマロ
深夜にマシュマロ焼きにチャレンジ!が、長い串が全部使われていたために爪楊枝になりました。熱い。めちゃめちゃ熱い。おススメしません。
人生初のマシュマロは美味でした。チョコレートフォンデュで食べないのかって?
チョコレートフォンデュ自体やりません。
歴史を伝える品々
元禄2年の訴状が今も残るくらい歴史のある宿です。もっと何とかしてほしい・・・!
提言
さて、お待ちかね(今回が初回ですが)の提言です。
是非やった方が良いこと
- 畳敷きをやめてフローリングにする
- 全館禁煙にする
- シャンプー類は数を抑えて1~2種類にする
- ゆで卵とワイン以外の食べ飲み放題をやめる
- 14時チェックイン、11時チェックアウトを基本にする。
- ホームページを充実させる
1は掃除のしやすさにつながります。イグサの畳ならまだ良いのですが、風呂場にも使えるような特殊畳なのでフローリングに切り替え、清潔に保てるようにすべきです。
2は昨今の流れもありますが、何より失火で建物が損なわれないためにも必要です。
3は2回目で紹介したシャンプー類の飽和を防ぎ、美しく見せるために必要なことです。
4は経営資源集中です。言うほどの経営資源ではありませんが、あまり衛生状態が良いとは言えず、片付けもままならない状態ならやめてしまった方が得策です。下手に事故を起こしても困ります。
5は2回目で書いた無為な待ち時間を減らし、リネン類で散らかった廊下を見せないためにも必須です。じゃらんの基本情報だと標準は13時チェックイン、11時チェックアウトのようですが、現在は12時チェックイン、12時チェックアウトのプランしかありません。最初がダメだとすべてがダメに感じてしまいます。
6は実際に見てもらうと分かりますが、ホームページを見てもあまり内容が伝わってきません。文字を増やして説明してもらわないと・・・今はじゃらんの方が詳しいです。
できればやった方が良いこと
- ロールス・ロイスでの送迎廃止
- 清掃の外注
1はなんてことを言い出すのかと思う方もいるかもしれませんが、経営資源の集中のためにも考え直した方が良いです。正直、それなりの状態の中古のクラウンで送迎してくれたっていいくらいです。残すなら、車内の清掃にもっと力を入れて革張りのシートを修繕した方が良いでしょう。
2は圧倒的な人手不足を解消するための特効薬です。持続的な効果を発揮するには新たに人を雇う必要がありますが、正直に言ってすぐに人が集まるところでもなさそうなので、これで様子を見ましょう。
帰りの特急
帰りはスーパーあずさ号でした。新型車両が使われており、この記事が読まれているころには自由席が無くなって(3月16日ダイヤ改正)全車指定席になっているのでしょうね・・・。
大分すっきりしたデザインです。
ヘッドレストカバーには形式であるE353の文字が。
3月16日から稼働する指定席発売状況ランプもあります。
コンセントが使えるので便利です。
5言語で3月16日からの制度を説明したシートも入っています。
最後に
いかがでしたでしょうか。下部温泉は閉館した旅館も多く、またその建物が多く残っており、さびれた印象を受けました。しかし、裕貴屋には頑張ってほしいと思います。裕貴屋の関係者が私のブログを読むことはないでしょうが、もっともっと改善して次世代に語り継がれる良い宿になってほしいです。
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